キロクはジブンをすくう

自分の生活を上手いこと回すため試行錯誤する話。

GTD収集攻略・挫折を繰り返さないための小さな工夫【準備編】

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はじめに

自分の生活にGTDを取り入れて6年ほど経ちます。このワークフローのおかげで煩雑だった仕事・家事・自分のやりたいことが随分上手くこなせるようになりました。

とはいえ、それは「今でこそ」言えることであり、GTDを取り入れた直後からメキメキ成果を上げて、その後有意義な6年間を過ごしてきました!というわけではなく、まともに継続できる状態までもっていくのに6年かかったと言ったほうが正しい。ものにするまで何度も挫折しては放り投げ、また手をつけて……の繰り返しでした。

小さな改善をこつこつと積み上げて、ようやく自分に合ったシステムの形が見えてきた今、この際だからきちんと言語化して記録に残しておこうと思い立ち、このブログを始めました。

今この記事を読んでいるということは、自分なりのGTDを模索している人でしょうか。私のGTDは万人向けの手法とは言い難く、参考になるかも怪しいですが、良ければほんの少しの間お付き合いください。

「GTD収集攻略・挫折を繰り返さないための小さな工夫」

【準備編】
1. 収集での挫折
2. 挫折の原因
3. 自分のためのシステムづくり

【攻略編】
4. あらためて、収集とは何か?
5. 収集を3つに分類する
6. 分類別攻略法

この【準備編】では、「収集での挫折」「挫折の原因」「自分のためのシステムづくり」についてまとめています。

※但し、ここではGTDに関する基礎的な知識や用語について一切解説していませんので、GTDという手法に初めて触れる方には不向きの内容となっております。予めご了承ください。

※GTD改訂版において「収集」は「把握する」という言葉に再定義されていますが、この記事では便宜上「収集」という言葉のまま取り扱います。

収集での挫折

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

そもそもGTDの第一段階「収集」で挫折する人はそんなにいないのでは?とも思うのですが、私は見事に挫折してしまいました。
原因のひとつは、下手な完璧主義思考。「気になること全てを収集する」という言葉の「全て」に囚われ過ぎ「完璧」に集めようと思ったのが間違いの始まりでした……。

まずは、収集という作業において、私が今まで経験した挫折ポイントを紹介します。

  1. 「全て」を「完璧」にこなそうとして挫折。
  2. 全てを一箇所に集めようとしたらそれだけで疲れ果てて挫折。
  3. 集める箇所を分散させたら、どこに何があるのか把握できなくなって挫折。
  4. 集めるだけ集めて放置して挫折。
  5. 集めたものを「見極め」たら期限切れのもの(提出書類・約束・返信など)が出てきて挫折。

次にひとつひとつ詳しく見ていきます。

①「全て」を「完璧」にこなそうとして挫折。

気になることを外に吐き出して集めてしまえば、「思考がクリアになり、脳のメモリ解放に繋がった」という実感は確かにありました。けれど、同時に常にモヤモヤする気持ちも抱えていました。
収集する度に「これで本当に全部?」と自問自答するのですが、「これで全部!」とはっきり断言できたことが一度もなかったからです。

「気になること」を100%収集する

出典:
デビッド・アレン (著), 田口 元 (監修, 監修)『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』

この100%という言葉がとんだ曲者で、私は長い間「100%集めるって具体的にどんな状態?どうすればいいの?」と収集に取り組む度に首を捻っていました。
気になることが浮かんでこなくなったらそこで完了とはいうものの、「今考えてパッとは浮かばないけど、絶対何か忘れてる……」感が拭えず、そしてその勘は大抵「当たっている」。
このモヤモヤが常に頭の片隅に残っていて「収集がいつも中途半端だから毎回失敗するのでは?」と挫折する度に疑っていました。

②全てを一箇所に集めようとしたらそれだけで疲れ果てて挫折。

INBOXの話です。最初はあまり深く考えず、GTDに特化したタスク管理ツール(OmniFocusなどのアプリ)を使用して、INBOXという名前のハコに全てを集めようとしたのですが、すぐに破綻しました。何度挑戦しても結果は同じ。

集めた項目があまりにも多いと、そのツールに入力し終える頃には疲労困憊。
そして、INBOXの中はあまりにも量が多過ぎて「処理/見極め」で捌ききれなかったものや、どうにもやる気がおきずに放置してしまったもので溢れ返るようになり、一向に減らない。
なかなか片付けられない、INBOXを空にできない。その事が徐々にストレスになっていきます。
そうなると、やがては「そこ」に近寄る気すらおきなくなって、自然とツールを避けるようになります。折角集めたものたちはその度ひっそりと闇に葬られていきました。

「最初からツールに手を出してしまったことで遠回りしてしまった」
その事に、後で気づきました。
この時点で私は「収集」の意味をきちんと捉えられていなかったのです。

具体的にどういう事かというと。
ごくごく当たり前のことなんですが、収集って「集める」ことなんですよね……。
ある時、上記のツールを使用した収集が二度手間であることに気づきました。
それまで、書類やらメモやらブックマークしたページやらをINBOXにメモし直すという、今考えると無駄としか言いようがないことをしていたのです。
実際には「○○の書類に目を通す」「△△のページを読む」のように書き込んでいたわけですが、コレ、収集の作業じゃないですよね。次の「処理/見極め」に属する作業ですよね。
「収集と見極めと整理を同時にやってはいけない」というGTDの原則を見事に最初から外していました。
書類やメモがきちんと手元にある・ページをブックマークしてある。
その時点で「収集」は既に終わっているのでした。もう集めた後なんですよ。
わざわざもう1回集め直す必要はないわけです。


「ツールに頼り、その機能に主導権を握られた結果、本来行うべきこと、その手順、方向性が曖昧になる」という状況は「収集」に限らずこの後も何度か発生します。
便利なツールとの付き合い方や距離感の話については第三段階の「整理」で触れる予定です。
ちなみに、扱う人間がよく理解しないまま使って振り回されていただけなので、ツールが悪いわけではありません。あしからず。

③集める箇所を分散させたら、どこに何があるのか把握できなくなって挫折。

そしてようやく次の段階へ。今度はINBOXを複数作っての運用を試みました。
二度手間はしない。そう決めて、GTDツールのINBOX機能は一旦封印。
書類やメモや後で読む雑誌は用意したハコにまとめて放り込み、それで完了。気になるWebページの情報はブックマークしたり、Evernoteなどのアプリにクリップするだけ。他にもスマートフォンのメモアプリや、アイデアを書き留めておくためのノートなど様々なツールを駆使して集めました。

するとどうなったか。
前述の通り、今度はどこに何があるのか把握できなくなって、肝心な時に必要なものを取り出せない・思い出せない事態に陥りました。集めた意味が全くありません。

④集めるだけ集めて放置して挫折。

どこに何があるのか瞬時に判断できず、それを探し回る時間が発生したため、次のステップ「処理/見極め」と「整理」に非常に時間が掛かるようになってしまいました。
次第に取り掛かるのも億劫になり、しかし先延ばしをするうちにINBOXの中身はあちこちでどんどん膨れ上がってきます。ほどなく②と同じパターンで挫折しました。

⑤集めたものを「見極め」たら期限切れのもの(提出書類・約束・返信など)が出てきて挫折。

それでも何とか「処理/見極め」の段階までこぎつけた時もありました。しかし、溜めに溜めてしまったINBOXから手遅れのものや期限ギリギリのものが思わぬところで顔を出し「しまった……!」となる。
もはや管理も何もあったものではありませんでした。

挫折の原因

以上、数々の失敗と挫折を経て、気づいた点が以下の通りです。

  • そもそも良く理解しないまま収集という作業を行っていたこと。
  • 書籍や巷に溢れる情報から見様見真似で作った自分の収集システムが穴だらけであること。
  • 私という個人の処理能力と、システム側で要求される処理能力の差が大きいこと。

当初は挫折する度、自分の駄目っぷりに落ち込むばかりでしたが、ここまでくると「できないなら、できるレベルまで落とし込むしかない」という結論に至りました。

ここで初めて 「自分のためのシステムづくり」 を意識するようになったのです。

自分のためのシステムづくり

これが転機となり、以降、この「穴だらけのシステム」を「信頼できる楽なシステム」に作り変えるため奮闘していくこととなります。

必要なのは気合だとか根性だとか処理能力の底上げだとか、システム側に自分を合わせようとするのではなく、自分の乏しい処理能力でも扱えるようなシステムにカスタマイズしてしまえばいいと気づいたわけです。
疲れてスタミナ切れを起こす原因は「迷うこと」「(考えてもわからないことを)考え続けること」「作業量が多いこと」なので、原則や正しい手法云々にこだわるよりも、まずそこを何とかしないといけない。

ということで、過去の経緯から以下の3つを軸に、自分のためのシステムづくりが始まりました。

  • あらゆる作業において自分なりの定義づけを行い曖昧さをなくし、迅速かつ明確に判断を下せるシステム。
  • 自分の処理能力の範囲内で収まるよう適宜調整ができるシステム。
  • 「破綻しないシステム」ではなく「破綻してもすぐに復旧できるシステム」。

こうまとめると固いですが、要するに「迷わない、疲れない、すぐやり直せる」システムを目指すことにしたのです。


まずはここまで。
以上、GTD収集攻略・挫折を繰り返さないための小さな工夫【準備編】でした。

次回の【攻略編】は、4月10日(火)に更新予定です。
収集という作業を具体的にどう克服していったか、そのあたりを詳しくまとめていこうと思います。興味がありましたら、またお付き合いください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!


次のGTD収集攻略・挫折を繰り返さないための小さな工夫【攻略編】はこちら。

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